カテーテル治療とは?
「カテーテル治療」は手軽に受けられることもあり、日本では比較的ポピュラーに行われている治療法です。
狭心症の治療としてのみならず、一刻を争う心筋梗塞の患者さんの救命率も高めることにも役立っています。
血管の狭窄部の局所療法
カテーテル治療とは、カテーテル(細い管)を体の血管の中に入れて冠動脈まで送り込み、冠動脈の細くなった部分を広げる局所療法のことです。
カテーテルの先についたバルーン(風船)を膨らませ、狭くなっているところを内側から押し上げます。
しかし、同じ場所が再び狭くなってしまう再狭窄の可能性があるため、そこで金属でできた「ステント」と呼ばれる網状の筒を入れて、広げた血管が保つようにする方法が一般的です。
最近の主流は薬剤溶出性ステント
とはいえ、ステント治療をしても再狭窄が完全に防げるわけではありません。
そこで最近主流になっているのが、「薬剤溶出性ステント」と言われるもので、ステントに再狭窄の原因となる内膜肥厚を起こさないような薬がまぶされています。
これによって再狭窄のリスクは低下しました。
ただし、まれに血栓が冠動脈を防ぐ「ステント血栓症」を起こす場合があるため、これを防ぐための強い抗血小板薬を、長期にわたって服用する必要があります。
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ステントを使ったカテーテル治療の流れ
狭くなった血管部位に、金属の網で出来た筒を入れて膨らませ、血流を良くする治療法です。
血管の状況をX線画像で確認しながら行っていきます。
- 1.大腿動脈や肘の動脈などから、カテーテルと呼ばれる細い管を入れ、詰まりかけている冠動脈の入り口まで入れます。
その中を通して、細いガイドワイヤーを血管の狭くなっている部分の先まで送り込みます。
- 2.ステント(網状の金属の筒)をかぶせたバルーンを、ガイドワイヤーにそって、血管の狭くなっている部分に入れます。
- 3.バルーンを膨らませて、ステントごと血管を押し上げます。
- 4.バルーンをしぼませて、ステントだけをそこに残して、バルーンとカテーテル、ガイドワイヤーを抜き取ることで、血管が広がったままの状態になり、血流が改善されます。
入れたステントは基本的に一生そのままです。