誰もが見えない部分
実は人間にはマリオット盲点(生理的盲点)という必ず見えない部分があります。
光は角膜から入って網膜にある視神経で感知されて、視神経を通過して最終的にはひとつの束となって脳に送信されます。
この、網膜にある視神経の神経線維が集まっていて眼球の外へ出ていく部分を視神経乳頭といいます。
視神経乳頭は視細胞がないので光を感知できません。
ですので視神経乳頭に集まった光の情報は脳へと伝わらず、視野検査では暗点(見えない部分)としてあらわれます。
この暗点はマリオット盲点と呼ばれています。
脊椎動物には視神経乳頭が必ず存在するので、必ずマリオット盲点があります。
眼科で行う検査
視野の異常が疑われる場合は、必ず視野検査を行います。
視野が狭くなる病気の代表的なものに緑内障がありますが、緑内障での視野の変化は、周囲から狭くなっていくのではなく、もともと見えないマリオット盲点がどんどん拡大していくように見える部分が狭くなっていきます。
この特徴から緑内障の疑いがある場合は、視野の中心30度を詳細に調べることができる静的視野検査から行います。
逆に脳梗塞が原因だったり視野狭窄が進行した場合には、動的視野検査で視野全体を把握するようにします。
その他に、網膜の状態を調べるために眼底検査も同時に行います。
眼底の状態をみることで病気の診断や予測がある程度できるので、視野検査の結果や眼底の状態をみて今後の治療方針を決定します。