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ジストニアの治療

全身性ジストニアの治療

全身性ジストニアの薬物療法は、抗コリン薬(トリヘキシフェニジル2~10mgを経口で1日3回、ベンツトロピン3~15mgを経口で1日1回)が最も多く、用量は目標値に達するまで徐々に増やしていきます。
その他には筋弛緩薬(通常はバクロフェン)や、クロナゼパムなどのベンゾジアゼピン系薬剤、または両方を服用し効果を観察します。

重症の場合や上記の薬剤を使用しても効果がない場合には、定位脳手術淡蒼球内節の深部脳刺激術を行うことがあります。

局所性・分節性ジストニアの治療

局所性または分節性ジストニアの場合には、運動神経を麻痺させるためにボツリヌス毒素注入(化学的除神経)を行います。

局所性・分節性ジストニア、あるいは主に身体の一部分を侵す全身性ジストニアの場合には、精製されたA型またはB型ボツリヌス毒素を該当の筋肉に注入する治療法を経験を積んだ医療従事者による筋電図ガイドの下で施術します。

ボツリヌス毒素は化学的除神経により過剰な筋収縮を軽減させることができますが、ジストニアを起こす脳の異常な回路に直接作用するわけではないので根治には至りません

ボツリヌス毒素の注入は眼瞼痙攣や斜頸に対して最も効果的と言われていますが、他の局所性ジストニアに対しても非常に効果的です。

注入の用量は非常に幅があり、効果の持続期間は限られているので3~4カ月毎に治療するのが良いとされています。

しかしながら、極稀な症例ですが、毒素が繰り返し注入された結果、毒素タンパクに対する中和抗体が生じてしまい、治療効果は下がるとの報告があります。


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